滲出性中耳炎
滲出性中耳炎とは、耳管の働きが正常に機能しなくなることによって起こります。耳管とは耳と鼻をつなぐ管で、中耳の気圧をまわりの気圧に合わせる働きをします。耳管の働きが悪くなる原因には、風邪などによる急性中耳炎によって鼓膜や鼓室の粘膜が腫れて鼓室側の耳管開口部が狭くなることや、アデノイドや扁桃腺が大きい場合、副鼻腔炎(蓄のう症)やアレルギー性鼻炎がひどい場合、鼻腔側の耳管開口部が狭くなり耳管の通りが悪くなることや、加齢によって耳管の働きが衰えることなどがあります。耳管の働きが悪くなると、中耳の圧力が低くなり、粘膜から液体がしみだしてきます。この滲出液が鼓室にたまり、滲出性中耳炎が引き起こされます。
また、鼻の奥には上咽頭という場所があります。大人の方の場合、稀にですがこの上咽頭に腫瘍ができ、鼻と耳をつなぐ耳管の入り口を腫瘍が塞いでしまうことがあります。耳管を塞がれると、滲出液が溜まりやすく滲出性中耳炎を起こします。大人の方で滲出性中耳炎を患っていたり、急に滲出性中耳炎が起こったら早めに耳鼻咽喉科を受診されることをお勧め致します。
原因
- 副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、アデノイドや扁桃腺が大きいことにより耳管の働きが悪くなる。
- 加齢によって耳管の働きが衰える。
症状
急性中耳炎のように耳痛や発熱などの症状はありません。
- 耳のつまった感じ(耳閉感)
- 難聴
- 耳鳴り
軽いものは1ヶ月ほどで治りますが、治るまでに数ヶ月かかることもあります。
子供の場合、耳痛や発熱などの症状がないため、自分から症状を訴えることはほとんどありませんので、気が付かないこともおおくあります。お父さん・お母さんはお子さんの様子をよく見てあげてください。テレビの音が大きい、呼んでも振り向かない、大きな声で話すようなことがあれば滲出性中耳炎を疑う必要があります。
治療方法
- 抗菌剤(抗生物質)や消炎剤を内服していただき、耳の粘膜の働きを正常化し、鼻水を抑えることによって滲出液がたまらないように治療します。
- 鼻の状態を良くするために鼻の吸引やネブライザーを行います。
- 鼻から耳に空気を通して耳管の通りをよくし、滲出液が抜けやすくする耳管通気を行うこともあります。
- 2~3ヶ月間このような治療をして改善しない場合は、鼓膜切開を行います。鼓膜の孔(あな)は通常数日で塞がる場合が多いので過度な心配はいりません。
- 鼓膜切開しても滲出性中耳炎を繰り返すなら、鼓膜チューブの挿入を行い、滲出液がたまらないようにします。
ご注意いただきたいこと
特にお子さんや高齢の方に多いですが、滲出性中耳炎は治療期間が長期にわたることが多く、風邪をひいたり、鼻の疾患(副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎など)が原因となり症状を再発される方も少なくありません。滲出性中耳炎を悪化させたり、根治させずにいると、癒着性中耳炎、真珠腫性中耳炎という慢性中耳炎になることがありますので、しっかりと治療を最後まで行いましょう。ご自身の判断で治療を止めることは避けてください。
医院概要
市川市 妙典駅直結の耳鼻科
妙典さいとう耳鼻咽喉科
- 住所
- 〒272-0111 千葉県市川市妙典4-2-12
- 電話番号
- 047-390-3387
- 最寄駅
- 妙典駅徒歩30秒(駅高架下)
- 診療内容
- 耳鼻咽喉科、小児耳鼻咽喉科、アレルギー科
- 平日 9:00 - 12:00 15:00 - 19:00
- 土曜 9:00 - 12:00 休診日 水曜、日曜、祝日
- ※ 当院は常時医師2名体制で診療を行っています。