中耳炎と鼓膜切開
中耳炎と鼓膜切開について
「鼓膜切開(こまくせっかい)」と聞くと、鼓膜を切るイメージが強いかもしれませんが、耳鼻科での中耳炎に対する治療法としての鼓膜切開は、鼓膜に少しだけ小さな孔(あな)をあけるというものです。
中耳炎になってしまった場合、最初は薬を飲んでいただきながら中耳炎の原因となっているバイ菌(ウイルスや細菌)をやっつけたり、鼻水を抑えるよう治療をしていきます。
しかし、急性中耳炎により発熱が続いたり、痛みが強い場合、あるいは滲出性中耳炎になり溜まった滲出液(しんしゅつえき)が抜けないといった場合には、鼓膜切開をした方がより早く治る場合もあります。
急性中耳炎の場合であれば、鼓膜が赤くなり、耳の奥に膿(うみ)が溜まっている状態であれば鼓膜切開をした方が良くなるのは早くなります。膿が外に出ることで痛みもおさまり、熱も下がっていきます。
滲出性中耳炎の場合であれば、鼻水をコントロールすることで耳管と言われる耳から鼻に通っている管を通して耳の奥に溜まった水(滲出液)が抜けていきます。ただ、場合によっては、耳の奥に溜まった水(滲出液)がなかなか無くならない時には、鼓膜切開を行うことで耳の奥から水を抜き、症状が緩和していきます。
鼓膜切開をする場合には、鼓膜に直接麻酔をしますので、切開時の痛みを抑えます。鼓膜切開時に使用する細いメスで鼓膜に小さな孔(あな)を開けますが、施術する時間はほんの一瞬で終わります。その後、溜まっていた膿や水(滲出液)がその孔(あな)から出てきますので、吸引管で吸い出します。
鼓膜に孔(あな)をあけた状態になるので、万が一の感染予防のために抗菌薬(抗生物質)の内服や抗菌剤(抗生物質)入りの点耳薬を孔(あな)が閉じるまで使用していただく場合があります。鼓膜に孔(あな)をあけるというと閉じるのか不安になるかもしれませんが、基本的には1週間程度で自然に孔(あな)は塞がることが多いです。
鼓膜切開が必要な場合は、患者様(お子様の場合はお父様・お母様)とご相談の上、治療方針を決めさせていただきます。
ご注意いただきたい点
鼓膜切開を行うことで、急性中耳炎や滲出性中耳炎の症状が緩和していきますが、鼻水が出続けている状態だと、鼓膜切開をしたとしてもまた膿や水(滲出液)が溜まりやすくなる状況になります。鼻水のコントロールをするために耳鼻咽喉科を受診しましょう。
医院概要
市川市 妙典駅直結の耳鼻科
妙典さいとう耳鼻咽喉科
- 住所
- 〒272-0111 千葉県市川市妙典4-2-12
- 電話番号
- 047-390-3387
- 最寄駅
- 妙典駅徒歩30秒(駅高架下)
- 診療内容
- 耳鼻咽喉科、小児耳鼻咽喉科、アレルギー科
- 平日 9:00 - 12:00 15:00 - 19:00
- 土曜 9:00 - 12:00 休診日 水曜、日曜、祝日
- ※ 当院は常時医師2名体制で診療を行っています。